税理士試験の理論暗記の方法を徹底解説!合格者が実践した暗記法は?

税理士試験合格の秘訣シリーズ!今回は税理士試験の理論暗記です。
「税理士試験の理論暗記の仕方がわからない…」
「覚えてもすぐ忘れてしまう」「そもそも覚えられない」など様々なお悩みをお持ちの方が居るでしょう。

どうしたら税理士試験の理論をマスターできるのか…。
税理士試験の理論暗記の攻略に必要なことを教えていただきます。

この記事を書いた人

監修:吉岡のん

  • 税理士試験に3年半で官報合格。
  • 税理士受験生の応援団長として、実践しやすい勉強法を発信している。
  • Youtubeチャンネル「のんびり税務」 (2018年〜2021)
  • 著書「税理士試験 この勉強法がすごい」 (2020年 中央経済社)

理論暗記は税理士試験の勉強で避けては通れない道ですが、条文暗記というのは非常に辛い作業です。
私も受験生のときは、どうやったらあれだけの分量を暗記できるのか色々と試行錯誤をしました。
今回は理論暗記で悩んでいる方に向けて、理論暗記攻略のコツと具体的な暗記方法についてお話ししていきます!

目次

脳が認める暗記法!分散学習を実践

受験生のとき「次の授業までにこの理論を覚えて」と先生に言われても、なかなか思うように理論暗記を進めることが出来ませんでした。
テストで周りはスラスラと理論を書けているのに私は一生懸命やっても、翌週までに暗記が間に合わず理論が思うように書けないという経験も多々ありました。「自分は記憶力が悪すぎる、、」と絶望的な気持ちになりました。

そんなとき、法人税の先生が教えてくれた「人は自分が思っているほど暗記ができない」そして「人は忘れやすい生き物」という言葉に救われました。
「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を聞いたことがある方も居るかもしれません。
エビングハウスの忘却曲線とは、人が忘却するメカニズムを表したグラフです。

出典:ウォータールー大学の研究結果「Curve of Forgetting」

ここでは、カナダのウォータールー大学の研究結果を参考にお話しします。
黒い線は「記憶」を表します。勉強すると、一時的に記憶は100%まで上昇します。しかし、記憶は時間の経過とともにどんどん下落し、1日後には覚えたことの66%を忘れしまいます。
ここから「人は忘れやすい生き物」ということがよく分かります。
では、どうやって記憶を維持するのか?
上記のグラフの黄色の線を見てください。24時間以内に10分間の復習をすると、記憶率は100%に戻ります。
次回は1週間以内に5分の復習。その次は1か月以内に2~4分の復習で、記憶が復活します。回数を重ねるごとに覚える時間はどんどん短くなっていきます。

記憶は一度覚えただけではすぐ忘れてしまいます。
今が1月だとすると、8ヶ月間先の税理士試験で理論の力を発揮させたいわけですよね。
そうなると、隙間時間を使いながら何度も刷り込んでいく&少しずつ期間を空けて刷り込んでいく「分散学習」が理論暗記において必要です。

科目の傾向を分析する

そしてもう1点、理論暗記の前提として、「どの程度の暗記の精度が求められるのか」も考えることも必要です。
各科目や試験の傾向により理論暗記の正確さがどこまで必要なのかが変わってきます。
私も財表と税法3科目、理論暗記をしましたが各科目ごとに暗記の精度は違いました。
例えば私の場合ですが、
[財表<法人税<<<<<消費税<<事業税]
という順で、財表や法人税は自分の言葉で説明はできるけどベタ書きは書けないような状態。
反対に事業税は意味も理解した上でかなり理マス通り精度高く暗記を進めていました。

画像1


例えば、法人税は理論ボリュームも多いですし、私が受験した当時は試験上も条文のベタ書きを要求されることはありませんでした。なので、暗記というより自分の言葉で伝えられるように内容の理解を進めていきました。
反対に事業税は理論ボリュームも少なく、受験生のレベルも初学者が少ないという点で比較的レベルが高い傾向がありました。周りが押えていたら自分もできないと合格できないので、可能な限り理マス通りに暗記をしました。

もちろんどの科目も理論マスター通りに暗記できるに越したことありません!
ですが、特に複数科目を勉強していると現実的には理論マスター通りに全条文を暗記するのは難しいこともあります。
なので、その科目の近年の問題傾向やボリュームが多い少ないといった科目の傾向ごとに、どこまで求められているのかを明確にし、それに合わせて暗記を進めていくのがオススメです。

理論暗記の方法をご紹介

それでは、具体的な理論の覚え方についてですが、私も受験生のとき理論暗記の方法についてはめちゃめちゃ悩んで色々な方法を試しました!
まずは色々な暗記方法を知っていただくという点で、私が受験生時代に取り組んだこのとある暗記方法をご紹介します。

①音読
実際に理論マスターを見ながらその通りに口に出して音読していきました。人がいるところで音読をすると好奇の目で見られてしまいますので、出来るだけ人目がないところで音読をしていました。
音読は「目で見て、口に出して、耳で聞く。」という五感をフル活用することができます。五感をフルで使いながら暗記できるので個人的にもオススメの暗記方法の1つです。

②黙読
黙読も基本的には音読と一緒で理論マスターを目で見てそれを心の中で暗唱する方法です。実際に口に出さないので場所に限らず実践できますが、音読に比べると記憶の定着は弱いなと感じました。


③ 書く
取り組むのに時間がかかったり、書く量が多いと手が痛くなるのが懸念点ですが、記憶の定着や自分の理解度のチェックの確認としては効果的です。
時間はかかりますが、最終的にテストや本試験では「書いて」解答する必要がありますので、最終確認としては絶対外せない方法です。


④ 内容の概略の把握
理論の暗記は計算にも活きてくるので丸暗記ではなく理解した上での暗記が重要です。なので理論マスターを自分の言葉で説明できるかを理論マスターは見ない状態で「声に出して確認」したり、「紙に書いて確認」していました。


⑤ 聞く
スマホのボイスレコーダに理論マスターを読んだ自分の声を保存しておき、それを寝る前や移動中に聞いていました。

合格者が実践した理論暗記法

このように色々な方法を試したのですが、最終的に行き着いた方法は、今までお話しした複数の暗記方法をMIXさせたものです!

画像2

例えば先生から「次の授業までに××の論点の理論を覚えてきて」と言われたとします。
まず理論マスターを自分の言葉で説明できることを目標に内容の理解をします。
次に音読、空き時間を見つけてはひたすら何度も音読しました。回数としては私は1論点につき50回以上はしたと思いますが、これより多い方もいるかもしれませんし、もっと少ない回数でも暗記ができるかたもいると思います。
ある程度自分のかなで暗記できてきた感覚が出てきたら、理論マスターを見ない状態で音読や黙読をしていきます。もしつっかえたりしてすぐ出てこなかったら、理マスを見て再度確認していました。
最後に1、2回「書く作業」。本当は書くのが最も暗記効果は良いと思うのですが、暗記が進んでいない状態だと時間コスパが悪いので、最後に本当に書けるのかのチェックとして「書く」作業をしていました。

そして冒頭にお話しした通り、理論暗記は、長時間継続してやるより隙間時間を活用しながら少しずつ進めていくのがおすすめです。先ほどお話した分散学習ですね!
私の場合、「移動中は理論暗記の時間」で電車の中や歩きながら暗記を進めていました。
あとお風呂の時間も寝る前も理論暗記をしていました!
このように少しずつ、だけど何度も何度も暗記を進めていくことによってなんとか合格レベルに到達しました!

理論暗記は記憶定着まで時間がかかります。なので日々の積み重ねが結果に繋がります!

今回お伝えした暗記方法で気になったものは是非試してみてください!
YouTubeチャンネル「のんびり税務」では、動画で理論暗記の方法をお話ししています。
こちらも是非ご覧ください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次