税理士試験の国税徴収法は令和3年度の受験者数は1,702人、合格者数は234人でした。
国税徴収法は税理士試験の11科目の中でも合格に必要な学習ボリュームが最も少なくて済む科目です。
国税徴収法は、初学者でも集中的に学習することによって短期合格も狙える科目です。
この記事では、国税徴収法の傾向と最短突破のために必要な勉強法を説明しています!
・これから国税徴収法を勉強しようと思っている方
・すでに税理士試験の国税徴収法の勉強をされている方 にもヒントになる情報があります!
正しい知識を身につけ、最短突破していきましょう!
国税徴収法ってどんな科目?
税理士試験は会計科目から2科目、税法科目から3科目を選択し、合計5科目に合格することによって税理士試験合格となります。国税徴収法は、税法の選択科目です。
国税徴収法の最も大きな特徴が理論のみの試験ということです。
実際には、配当計算と呼ばれる計算も出題されますが、電卓なしで計算できるレベルのため実質的にも理論重視の科目です。
税理士試験の全11科目で計算がほとんどない科目は、国税徴収法のみです。
また他の税法科目との違いとして、1つのミスで不合格ということもありません。
他のミニ税法科目だと事業税のように書くボリュームが異常に多く速記大会と言われるような科目や1つのケアレスミスが命取りとなるような綱渡りのような税法も多いです。
ケアレスミスができないのは実際かなりプレッシャーですので、理論が得意な方にとっては検討の余地がありそうです。
国税徴収法は学習ボリュームは少ないため、短期合格を十分狙える科目ですが、その為には既存の参考書をフル活用し網羅的な学習が求められます。
国税徴収法で学ぶこと
国税徴収法の出題範囲は下記の通りです。
国税徴収法の出題範囲
当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。
国税徴収法は国税の滞納処分など徴収手続について必要な事項を定めた法律です。
税務調査や国税の滞納といった国税徴収に関する場面で、国税徴収法の知識が活きてきます。
国税徴収法は計算問題がほぼ無いことにプラスし、法律の量も他科目より少ないです。その分、精度の高い条文暗記や丁寧な法律の解釈が求められます。
国税徴収法の学習は会計や簿記の知識も必要ない為、簿記や税法の知識がない人でも学習可能です。
国税徴収法の受験者数の推移
直近10年間の国税徴収法の受験者数の推移は次のようになっています。受験者数(延べ人数)
2021年 1,702人
2020年 1,629人
2019年 1,677人
2018年 1,703人
2017年 1,643人
2016年 1,481人
2015年 1,496人
2014年 1,482人
2013年 1,423人
2012年 1,249人
国税徴収法の受験者数は2012年には1,249人だったの対し、2021年には1,702人とここ10年で増加傾向にあります。
国税徴収法は税理士試験の11科目の中で受験者数が増加している唯一の科目です。
増加要因としては短期合格が狙えるボリュームと1ミスアウトがない安心感かと予想されます。
税理士試験の受験者数は税理士試験全体として減少傾向にあります。税理士の将来性については下記の記事で解説しています。
国税徴収法の難易度
●必要な勉強時間
国税徴収法の合格に必要な時間は150時間と言われています。
この数字は予備校でよく言われる国税徴収法の学習に必要な目安時間です。
この数字より少ない時間で合格する人もいますし、一発で合格できない場合150時間以上の勉強時間を費やす人もいるため、あくまで参考程度の数字です。
ただ、1点客観的な事実として言えるのは、この150時間は税理士試験の各科目の中で、最も学習時間が少ない科目だということです。
●国税徴収法の合格率
こちらのグラフは2021年から過去5年分の合格率の推移になります。
国税徴収法の合格率は少し変動はあるものの10%前半で推移しています。
本試験会場では、上位10%前半を目指す必要がありそうです。
学習ボリュームが少ない為、多くの受験生が網羅的に学習を押さえてきている可能性が高いです。確実に点数を獲得できるよう取り組んでいく必要があります。
国税徴収法のオススメの勉強法は?
国税徴収法は理論中心の学習ですが、単に理論の丸暗記だけでは合格をつかむことは難しいです。
規定の趣旨などの法的背景についての理解や問題の問いが何を求めているのかを考え、取捨選択する判断力も必要です。
また、理論中心の学習のメリットとして、計算のようにまとまった勉強時間がなくても、隙間時間をうまく活用することで学習が進められることです。
理論は隙間時間をうまく活用しながら勉強する「分散学習」が効果的です。
電車の移動時間や昼休みなど空いた時間を使いながらコツコツ勉強を進めましょう。
国税徴収法は独学できる?
結論から言うと、最短合格を目指す場合、独学はお勧めできません。
国税徴収法は税理士試験の中だと学習ボリュームが少ないです。そのため、市販の教材を一通り学習するだけでも国税徴収法の基本的な学力が身につくと考えられます。
ですが、国税徴収法の多くの受験生が基礎を押さえた上で受験にきます。
そこから頭一つ抜け合格の二文字を勝ち取るためには、時間配分の練習や国税徴収法の情報収拾をすることが必要で、効率的に行うのができるのが予備校に通うメリットです。
税理士試験は1科目あたり上位15%しか合格できない難しい試験です。
その狭き門をくぐり抜け続けて、5科目に合格しようやく税理士試験に合格できます。
5科目に合格する必要があるため、数年単位で勉強のモチベーションを維持しないといけない長期戦が強いられます。
また、国税徴収法のメリットの1つとして金銭的コストが抑えられることがあります。
大手予備校の資格の学校TACでも1月速修コースの資料通信講座が66,000円~税法科目の中では非常にリーズナブルな金額です。
税理士試験の国税徴収法まとめ
国税徴収法は税理士試験でじわじわ人気が出ている
学習時間は少ないが高い精度が必要
分散学習で理論暗記のコツ
最短合格を目指すなら独学ではなく予備校を活用すべき
国税徴収法は受験者数が少ないため、自分から前のめりの姿勢で情報を収集する必要があります。これから勉強を始められる方や現在苦戦されている方は是非上記の内容を意識し勉強していただけたらと思います。