税理士試験の固定資産税は令和3年度の受験者数は941人、合格者数は130人でした。
税理士試験の固定資産税は11科目ある税理士試験の受験科目の中でもマイナーな受験科目です。
固定資産税は、学習ボリュームの少なさを決め手として選択科目に選ぶ方が多いかと思います。
しかし、税理士試験に慣れている受験生が多い科目のため「受かりやすい」「簡単」ということではなく、合格のためには理論、計算ともに高い精度で学習を進める必要が出てきます。
この記事では、固定資産税の傾向と最短突破のために必要な勉強法を説明しています!
・これから固定資産税を勉強しようと思っている方
・すでに税理士試験の固定資産税の勉強をされている方 にもヒントになる情報があります!
正しい知識を身につけ、最短突破していきましょう!
固定資産税ってどんな科目?
税理士試験は会計科目から2科目、税法科目から3科目を選択し、合計5科目に合格することによって税理士試験合格となります。固定資産税は、税法の選択科目です。
固定資産税は土地・家屋及び償却資産に対して課される税金です。
固定資産税は第1回税理士試験から試験科目となっている歴史ある科目です。
出題傾向が安定していて学習しやすいことや、簿記や会計の知識を必ずしも必要としないことから初学者であってもチャレンジしやすい税法科目です。
固定資産税で学ぶこと
酒税法の出題範囲は下記の通りです。
固定資産税の出題範囲
当該科目に係る地方税法、同施行令、施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。
固定資産税は、理論問題、計算問からで出題されます。
固定資産税は第1回〜第26回までは理論中心の出題でしたが、第27回から現在まで、理論と計算問題から構成される出題形式です。
固定資産税の受験者数の推移
直近10年間の固定資産税の受験者数の推移は次のようになっています。受験者数(延べ人数)
2021年 941人
2020年 874人
2019年 868人
2018年 845人
2017年 843人
2016年 947人
2015年 934人
2014年 1,098人
2013年 1,232人
2012年 1,339人
固定資産税の受験者数は2012年には1,339人だったの対し、2021年には941人とここ10年で大幅に減少しています。
2021年は前年と比較し微増していますが、2020年のコロナショックから少し回復兆したことが税理士試験の受験者数からも読み取れます。
税理士試験の受験者数は事業税だけでなく税理士試験全体としても減少傾向にあります。税理士の将来性については下記の記事で解説しています。
固定資産税の難易度
●必要な勉強時間
固定資産税の合格に必要な時間は250時間と言われています。
この数字は予備校でよく言われる事業税の学習に必要な目安時間です。
この数字より少ない時間で合格する人もいますし、一発で合格できない場合250時間以上の勉強時間を費やす人もいるため、あくまで参考程度の数字です。
税理士試験の学習時間としては、法人税法、所得税法の600時間が最多で、酒税法、国税徴収法の150時間が最小です。
固定資産税の学習量は税理士試験の全11科目の中で、真ん中の立ち位置にあり中間的な学習量であることが分かります。
●固定資産税の合格率
こちらのグラフは2021年から過去5年分の合格率の推移になります。
固定資産税の合格率は合格率が13%前後で安定しています。
ミニ税法の中だと合格率が13%以下の税法科目もあるため、合格率はごく僅かに高い傾向があります。そうは言っても、合格は他のミニ税法同様、簡単ではありません。
学習ボリュームが少ない為、多くの受験生が網羅的に学習を押さえてきている可能性が高いです。確実に点数を獲得できるよう取り組んでいく必要があります。
固定資産税は選ぶべき?おすすめの勉強法は?
税理士試験の固定資産税は法人税、所得税や相続税と比べると学習ボリュームは少なく限られた学習時間でも勉強に取り組みやすい科目です。将来、資産税を専門に税理士業務をしたい人にとっても候補として考えている方も多いかと思います。
実際、固定資産税の実務での使用場面というと償却資産税の申告で使用することがメインです。
ただし、償却資産税の申告は法人税等の申告と比べ非常に平易で、固定資産税の未学習者でも償却資産税の手引き等を参照に申告できるレベルです。
実務での使用頻度で考えると法人税、所得税、相続税と言った国税三法が将来的には役に立ちます。
失敗しない税理士試験の科目選択は下記の記事をご覧ください。
そうは言っても、学習時間などのから固定資産税を学習したい!と考える方もいるでしょう。
税理士試験の固定資産税の理論問題は個別理論と応用理論があります。
そのため個別理論の暗記はマストですが、丸暗記ではなく、固定資産税の理論体系と個別の理論の関係性を「理解」しながらの暗記が必要です。
また、これは他のミニ税法でも言えることですが、ケアレスミスが命取りです。
学習範囲の少なさから高得点勝負になる年もあり、1か所のミスで不合格になってしまうこともあります。
ケアレスミスの対策としては、自分が間違ってしまう傾向を分析し対策することです。間違いノートを作り、定期的に見直すなど、ご自身にあったミス対策を見つけることが必要です。
固定資産税は独学できる?
結論から言うと、最短合格を目指す場合、独学はお勧めできません。
固定資産税は税理士試験の中だと学習ボリュームが少ないです。そのため、市販の教材を一通り学習するだけでも固定資産税の基本的な学力が身につくと考えられます。
ですが、おそらく固定資産税の多くの受験生が基礎を押さえた上で受験にきます。
そこから頭一つ抜け合格の二文字を勝ち取るためには、時間配分の練習や酒税法の情報収拾をすることが必要で、効率的に行うのができるのが予備校に通うメリットです。
税理士試験は1科目あたり上位15%しか合格できない難しい試験です。
その狭き門をくぐり抜け続けて、5科目に合格しようやく税理士試験に合格できます。
5科目に合格する必要があるため、数年単位で勉強のモチベーションを維持しないといけない長期戦が強いられます。
また、固定資産税のメリットの1つとして金銭的コストが抑えられることがあります。
大手予備校の資格の学校TACでも1月速修コースの資料通信講座が66,000円~税法科目の中では非常にリーズナブルな金額です。
税理士試験の固定資産税まとめ
学習時間は少ないが高い精度が必要
出題傾向が安定しており対策が立てやすい
ミス対策が合格には必要
最短合格を目指すなら独学ではなく予備校を活用すべき
固定資産税は受験者数が少ないため、自分から前のめりの姿勢で情報を収集する必要があります。これから勉強を始められる方や現在苦戦されている方は是非上記の内容を意識し勉強していただけたらと思います。