科目別勉強方法の仕方シリーズ!今回は財務諸表論です。
財務諸表論は税理士試験の必須科目です。
財務諸表論は11科目ある税理士の全受験科目の中で非常に高い合格率で、5年間の合格率の平均は21%近く合格率をあります。
税理士試験の中でも対策が立てやすい科目と言われていますが、合格のためには何が必要なのか…。
税理士試験の財務諸表論を攻略するために必要なことを教えていただきます。
監修:吉岡のん
- 税理士試験に3年半で官報合格。
- 税理士受験生の応援団長として、実践しやすい勉強法を発信している。
- Youtubeチャンネル「のんびり税務」 (2018年〜2021)
- 著書「税理士試験 この勉強法がすごい」 (2020年 中央経済社)
実際に私自身も税理士試験5科目に合格していますが、財務諸表論は勉強しやすかった記憶があります。
しっかりと勉強した分、点数や結果として返ってきやすい科目ですので、これから勉強を始められる方や現在苦戦されている方は今回お話しする内容を意識し勉強していただけたらと思います!
今回は私の経験も踏まえながら税理士試験簿記論に合格するためのコツについてお話しします。
財務諸表論の試験歴
受験1年目:合格
財務諸表論は税理士試験の受験初年度に受けました。
当時、日商簿記2級を取得していていた状態で、1月速習コースに通学し7ヶ月で合格することができました。
財務諸表論は理論と計算からなります。毎回の授業で同じ論点を理論の視点と計算の視点で勉強できるので理論と計算をクロスしながらの学習することで同情効果で理解が深まりました。
ちなみに、この年に同時受験した簿記論は不合格でした…。
2年目で合格できた簿記論の勉強法は下記の記事をご覧ください。
財務諸表論の計算ポイント
財務諸表論の計算の出題範囲は簿記論と重複します。
また簿記論の方が計算の難易度も高いため、同時学習される方は簿記の計算をしっかりし、あとは財表の固有論点を抑えるだけでも十分対応できます。
(私も簿財同時に学習していたため、簿記論の授業でしっかり計算を勉強し、財表の授業は復習として活用していました。)
また財表の計算は簿記論と違い基本的に、難問や悪問が出題されることはあまりないです。
テキストやトレーニングの内容をしっかりと押さえていくことが必要です。
私が受験生のときは「計算で8割以上(50点中40点以上)を目標に勉強しよう」とよく先生がおっしゃってました。
2021年の財務諸表論、第三問の各予備校の予想合格ボーダーはTAC予想配点で36点~39点程度、LEC配点基準で35点~37点と現在でも8割を目指す傾向は変わっていないようです。
8割というとかなり高く感じる方もいるかもしれませんが、財表は本試験でも普段のテストに類似した問題が出題されるので、難問等が出題されなければ8割は得点可能な数字です。
計算で高得点を取ることで合格にグッと近づきます。
確かに、財表の計算は簿記論と比較しても難問が出ることは少ないので、対策を立てやすいです。簿財一緒に勉強している方であれば簿記論をしっかりと勉強しているだけでもそれなりに点数は取れます。簿記論の勉強をしっかりして、財表固有論点を抑えれば8割は目指せるラインです。
財務諸表論の理論のポイント
税理士試験の理論は、条文の丸暗記が求められる科目もあります。しかし、財表は丸暗記ではなく理論することが重要です。
稀に財表の理論で苦労される方もいますが、税法科目に比べると①条文の暗記が不要ということと②簿記論の理論固め部分なので、税理士試験の中だと比較的取り組みやすいではないでしょうか。
もちろん難関試験のため、全ての人が簡単に受かるわけではないですが、合格者の方と話をすると「財表は比較的苦労しなかった」と答える方が多いです。
理論については理解を極めるということが重要です。
全体の流れを「理解」して、自分で作文を作ることを目標に勉強を進めてみましょう。
ここで大事なポイントですが、財表で大事なキーワードを使って作文することが合格のためには重要です。
財表固有のキーワードは予備校の授業をきちんと受けていれば、先生が教えてくれると思いますが、そういったキーワードを使いながら自分の理解を作文していきます。
ちなみに私は以前予備校の添削スタッフをしていたことがありますが、実力テストや答練の採点でキーワードをめがけて採点するよう言われていました。もちろんキーワードが入っていても見当違いな内容では丸をつけることはできませんが、キーワードが入っている答案は強いです。
しっかりと内容を理解した上でキーワードを使った解答を作成することで、採点者に対し「この人は理解しているな」と印象づける答案が作れるのではないでしょうか。
財務諸表論の勉強法まとめ
財表は計算と理論から構成されますが、計算は簿記論の内容と重複し、比較的難易度も易しいです。
理論は、丸暗記ではなく理解そしてキーワードを使った作文をすることが合格答案への近道です。
財表に苦労している声もしばしば耳にしますが、財表は税理士試験の中で一番努力が報われる科目だと思います。しっかりと勉強した分が、結果や点数として返ってきやすい科目なので今苦戦されている方も心折れずに、是非今回お話ししたことを意識し勉強していただけたらと思います!
YouTubeチャンネル「のんびり税務」では、動画で財務諸表論に合格できた勉強法をお話ししています。
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