【簿記論を徹底解説】難易度や最短突破の勉強法をご紹介

税理士試験の簿記論は税理士受験生の多くが最初に受験する税理士試験の登竜門とも言える重要な科目です。
登竜門である簿記論ですが、税理士試験に突破した先輩方でも最後の一科目に残る人もいるほどのクセのある科目でもあります。
この記事では、簿記論の傾向と最短突破のために必要な勉強法を説明しています!

・これから簿記論を勉強しようと思っている方   
・すでに税理士試験の簿記論の勉強をされている方 にもヒントになる情報があります!

正しい知識を身につけ、最短突破していきましょう!

目次

簿記論ってどんな科目!?

税理士試験は会計科目から2科目、税法科目から3科目を選択し、合計5科目に合格することによって税理士試験合格となります。
会計科目の簿記論と財務諸表論は必須科目です。
受験生の間で通称”ボザイ”と言われる2科目になります
必須科目ということにプラスして、日商簿記の勉強経験がある方にとっては勉強しやすい科目です。

また、簿記論は他の科目を勉強するにおいて必要な知識です。
同じく必須科目の財務諸表論において、簿記論の内容と重複部分が多くあります。税法科目でも、法人税法も簿記の知識が前提となり勉強が進んでいきます。
税理士試験の受験科目は好きな科目から勉強して構いませんが、上記のような理由から、税理士試験を目指したらまず最初に合格を目指す科目です!

簿記論で学ぶこと

簿記論とは財務諸表の記録の仕方や関連する計算方法を学ぶ科目です。
経営状態を明らかにするために財務諸表という資料を作成しますが、この財務諸表を誰が見ても同じように解釈できるようにするには、財務諸表を作り方のルールを決める必要があります。このルールが「簿記」です。簿記は財務諸表作成のルールと実際の計算を学ぶことになります。

簿記論の出題範囲は下記の通りです。

簿記論の出題範囲
簿記論の出題範囲は、複式簿記の原理、その記帳・計算及び帳簿組織、商業簿記および工業簿記です。
ただし、原価計算は除かれています。

このように試験範囲が非常に広く、幅広い範囲を学習することになります。
そして、簿記論は問題のほぼ全てが計算問題です。計算問題の場合、明確に答えが決まっているため、中途半端な知識では得点に繋がりません。
幅広い分野の内容の計算方法をしっかりと押さえることが必要になってきます。

簿記論の受験者数の推移

直近10年間の簿記論の受験者数の推移は次のようになっています。受験者数(延べ人数)

2021年   11,166人
2020年      10,757人
2019年      11,784人
2018年      11,941人
2017年      12,775人
2016年      13,936人
2015年      15,783人
2014年      17,742人
2013年      19,935人
2012年      22,983人

簿記論の受験者数は2012年には23,000人だったの対し、2021年には11,000人とここ10年で半減しています。
2021年は前年と比較し微増していますが、2020年のコロナショックから少し回復兆したことが税理士試験の受験者数からも読み取れます。

簿記論は税理士試験の登竜門で例年最も受験者数の多い科目です。税理士試験の受験者数は簿記論だけでなく税理士試験全体としても減少傾向にあります。

税理士の将来性については下記の記事で解説しています。

簿記論の難易度

簿記論は税理士試験の登竜門ではありますが、得意不得意が明確に分かれる科目です。

●必要な勉強時間
簿記論の合格に必要な時間は450時間と言われています。
この数字は予備校でよく言われる簿記論の学習に必要な目安時間です。
この数字より少ない時間で合格する人もいますし、一発で合格できない場合450時間以上の勉強時間を費やす人もいるため、あくまで参考程度の数字です。
ただ、1点客観的な事実として言えるのは、この450時間は税理士試験の各科目の中で、比較的学習時間が多い科目だということです。必須科目ながら、多くの力が求められる科目です。

●簿記論の合格率
こちらのグラフは令和元年から過去5年分の合格率の推移になります。

2020年は、22.6%と例年より高い合格率でしたが、2021年には16.5%と例年の基準に戻りました。
簿記論の合格率は多少の前後はありますが、例年上位15%が合格する競争試験だということ読み取れます。

簿記論と簿記1級はどっちが難しい?

税理士試験の簿記論と日商簿記1級は出題範囲が似ていることから、比較されることがよくあります。
簿記論と日商簿記1級では、どちらの方が難しいのでしょうか?

結論から言うと、税理士試験の簿記論の方が日商簿記1級よりも難易度が高いです。
その理由を解説します。

理由1:実施回数
日商簿記1級は年2回、6月と11月に行われます。
対して税理士簿記論は年1回、8月に行われます。
日商簿記1級は年に2回チャンスがありますが、税理士試験の簿記論は年に1回しか受験のチャンスがありません。
合格できなかった場合、また1年後の受験になるわけです。実施回数の面からしても、税理士簿記論に合格する方が難しいと考えられます。

理由2:受験資格
日商簿記1級に受験資格はなく、誰でも受験可能です。
税理士試験は受験資格があります。代表的な受験資格は次のとおりです。

大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
日商簿記検定1級の合格者
昭和58年以降の簿記能力検定上級の合格者
法人又は事業を営む個人の会計に関する事務に通算2年以上従事した者
税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務に通算2年以上従事した者

税理士試験の受験資格として日商簿記1級の合格者があります。
税理士試験の受験資格でよく使われるのは上記2つの学歴要件ですが、これは大卒者もしくは大学在学中の方でないと満たせない要件です。
そうでない方の場合、税理士試験の受験資格を得るために日商簿記1級や全経上級を合格を目指す方もいます。
税理士試験の受験資格になっていることからも税理士試験簿記論の難易度の方が高いと考えられます。

理由3:試験の難易度
日商簿記1級の合格率は約10%、税理士簿記論の合格率は約15%前後です。
合格率だけを見ると簿記1級の方が難易度が高そうに感じます。しかし、試験内容の方が難しさといった点でもより深い理解度が必要だです。

このような理由から、簿記論の方がやや難易度が高い試験であると言えます。
ですので、簿記2級から更にステップアップを考えている方は日商簿記1級の方が合格しやすい試験と言えそうです。

簿記論の勉強のポイント

簿記論と出題範囲が重複している日商簿記検定1級合格者でも簿記論になかなか合格できない方もいます。
得意不得意が分かれる要因は、簿記論の試験の傾向です。
日商簿記1級と簿記論では時間制約等の出題傾向の点で差があります

税理士試験の簿記論は大問が3題出題され、うち2題が個別問題です。
この個別問題は毎年どの論点が狙われるかわからないため、どこから出題されても解けるような対策が必要です。
また個別問題は中途半端な知識では太刀打ち出来ないことが多く、該当分野について、しっかりとした理解が必要です。

そして、簿記論は全問解くことができない膨大なボリュームが出題されます。
ボリュームが多いにもかかわらず、今まで見たこともないような難問が出題されることもあるため、本試験会場での冷静な対応できるかどうかが問われます。
簿記論合格のためには、出題内容を抑えていることにプラスして
「正確で素早く計算できる力」
「本試験の緊張状態でも取捨選択をできる力」
が必要です。

見たこともない問題、悪問、難問が出た時に、そこにこだわらず「一旦きっぱり捨てる」
そして、時間が余ったら戻るという「取捨選択の対応」が簿記論攻略の重要テクニックです。

税理士試験の簿記論を合格するために必要な勉強法は下記で詳しく解説しています。

簿記論は独学できる?

結論から言うと、最短合格を目指す場合、独学はお勧めできません。
簿記論は税理士試験の中だと市販の教材も充実しており、独学で合格される方も稀にいます。
ただし超少数の一握りです。

税理士試験は1科目あたり上位15%しか合格できない難しい試験です。
その狭き門をくぐり抜け続けて、5科目に合格しようやく税理士試験に合格できます。
5科目に合格する必要があるため、数年単位で勉強のモチベーションを維持しないといけない長期戦が強いられます。

「そうはいってもお金の事情で独学しか選択肢がない」という方もいるかもしれません。
確かに税理士試験の1科目あたりの受講料相場は15~20万円で、ストレートで合格できても、5科目で100万以上かかります。

しかし、完全オンラインでリーズナブルな税理士試験の通信講座が出来ました。
スタディング税理士講座の受講料は簿財2科目で59,950円(税込)、その他税法科目は1科目49,500円(税込)で受講することができます。
スマホ学習ができ、通勤時間など隙間時間を活用して勉強できるので忙しい社会人の方にも人気です。
お金のことが心配で今まで税理士試験にチャレンジ出来なかった方はこの機会に是非チェックしておきましょう。

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税理士試験の簿記論まとめ

簿記論は税理士試験の必須科目の1つ
合格率は例年15%前後
簿記1級と被る部分が多いが、試験の出題内容は簿記論の方が難しい
捨てる問題を見抜く力が重要
最短合格を目指すなら独学ではなく予備校を活用すべき

簿記論は計算問題が中心のため、演習量の確保が重要です。
計算力と深い簿記力が求められる試験のため、しっかり腰を据えて取り組み簿記論合格を掴みましょう!!

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