【事業税を徹底解説】事業税はおすすめ!?難易度や独学について説明

税理士試験の事業税は11科目ある税理士試験の受験科目の中でも非常にマイナーな受験科目です。
令和3年度の受験者数は302人、合格者数は38人と最も少ない科目となりました。

事業税は、学習ボリュームの少なさを決め手として選択科目に選ぶ方が多いかと思います。
しかし、税理士試験に慣れている受験生が多い科目のため「受かりやすい」「簡単」ということではなく、合格のためには理論、計算ともに高い精度で学習を進める必要が出てきます。
この記事では、事業税の傾向と最短突破のために必要な勉強法を説明しています!

・これから事業税を勉強しようと思っている方   
・すでに税理士試験の事業税の勉強をされている方 にもヒントになる情報があります!

正しい知識を身につけ、最短突破していきましょう!

目次

事業税ってどんな科目?

税理士試験は会計科目から2科目、税法科目から3科目を選択し、合計5科目に合格することによって税理士試験合格となります。事業税は、税法の選択科目です。
なお、事業税と住民税は、いずれか1科目しか選択できません。

事業税の本試験は他の税法科目と比べると平易な問題が多いですが、解答量の多さから、実力を出し切れない受験生もいるようです。本試験の緊張状態でも、素早く慎重な解答が求められる科目です。

事業税の学習は、法人税法に関する知識が前提で進みます。
その関係で、法人税法の学習経験者、同時学習者におすすめの科目です。

事業税で学ぶこと

事業税の出題範囲は下記の通りです。

事業税の出題範囲
当該科目に係る地方税法、同施行令、施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。

事業税は計算と理論から構成されますが、配点が年により変わります。
配点により時間配分が変わるため、試験開始後はまず配点を確認する必要があります。
以前は理論中心の出題が続いていましたが、近年計算問題についても当然のように出題されるようになりました。
下記は直近5年間の配点です。

《事業税》直近5年間の配点
平成30年度 理論55点、計算45点
平成30年度 理論55点、計算45点
令和元年度 理論55点、計算45点
令和2年度  理論50点、計算50点
令和3年度  理論50点、計算50点

令和2年度から問題も三問形式から二問形式に変更となり、理論50点、計算50点の配点になりました。
理論は以前は事例の総合問題が出題されることが多かったですが、近年は総合理論と個別理論がセットで出題されることが多いようです。

事業税の受験者数の推移


直近10年間の簿記論の受験者数の推移は次のようになっています。受験者数(延べ人数)

2021年 302人
2020年 335人
2019年 392人
2018年 418人
2017年 496人
2016年 566人
2015年 638人
2014年 771人
2013年 872人
2012年 899人

事業税の受験者数は2012年には約900人だったの対し、2021年には300人とここ10年で大幅に減少しています。
以前は住民税の方が受験者数が少なかったのですが、ここ10年で逆転し、最近では11科目ある税理士試験の科目の中で最も受験者数の少ない科目となってしまいました。
事業税の受験者数が減少した要因としては①安定して合格率が低いこと(住民税は令和元年 19.0%、令和2年 18.1%なのに対し事業税は10%前半)②税理士試験最難関の法人税の知識が必要なことが考えられます。

税理士試験の受験者数は事業税だけでなく税理士試験全体としても減少傾向にあります。税理士の将来性については下記の記事で解説しています。

事業税の難易度

●必要な勉強時間
事業税の合格に必要な時間は200時間と言われています。
この数字は予備校でよく言われる事業税の学習に必要な目安時間です。
この数字より少ない時間で合格する人もいますし、一発で合格できない場合200時間以上の勉強時間を費やす人もいるため、あくまで参考程度の数字です。
ただ、1点客観的な事実として言えるのは、この200時間は税理士試験の各科目の中で、比較的学習時間が少ない科目だということです。

●事業税の合格率
こちらのグラフは2021年から過去5年分の合格率の推移になります。

事業税の合格率は安定していますが、やはり例年上位10%が合格する競争試験だということ読み取れます。

オススメの勉強法

事業税は理論と計算からなります。以前は理論が得意な方に有利でしたが、近年は計算も当然のように出題されるようになってきました。

事業税は計算と理論をクロスしながら勉強することがお勧めです。もちろん理論については精度の高い暗記が必要ですが、理解が伴わない丸暗記では意味がありません。
計算と理論をクロスしながら勉強することで、相乗効果で理解が深まっていくようになります。トレーニング問題集や計算問題集を活用し、基本的な類型を網羅的に勉強しましょう。

理論については、精度の高い暗記とアウトプットの工夫の仕方が肝となります。
限られた時間の中で他の受験生と差がつく答案を意識して解答を作ります。

税理士試験の事業税に合格するために必要な勉強法は下記で詳しく解説しています。

事業税は独学できる?

結論から言うと、最短合格を目指す場合、独学はお勧めできません。
事業税は税理士試験の中だと学習ボリュームが少ないです。そのため、市販の教材を一通り学習するだけでも事業税の基本的な学力が身につくと考えられます。
ですが、おそらく事業税の多くの受験生が基礎を押さえた上で受験にきます。
そこから合格答案を作るアウトプットの訓練が事業税合格に1番必要で、その訓練を効率的に行うのが予備校に通うメリットです。

税理士試験は1科目あたり上位15%しか合格できない難しい試験です。
その狭き門をくぐり抜け続けて、5科目に合格しようやく税理士試験に合格できます。
5科目に合格する必要があるため、数年単位で勉強のモチベーションを維持しないといけない長期戦が強いられます。

ただし、どうしても予備校に通う時間的、金銭的余裕がないという方もいるでしょう。
そういう方はTACや大原から出版されている参考書を何度も繰り返し解くことと、時間配分を意識した答案作成の練習を行いましょう。

税理士試験の事業税まとめ

事業税は合格者100人以下のマイナー税法
学習時間は少ないが簡単ではない
理論計算の配点が変わるのが特徴
合格率は10%前半
最短合格を目指すなら独学ではなく予備校を活用すべき

事業税は受験者数が少ないため、自分から前のめりの姿勢で情報を収集する必要があります。これから勉強を始められる方や現在苦戦されている方は是非上記の内容を意識し勉強していただけたらと思います。

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