税理士試験の住民税は11科目ある税理士試験の受験科目の中でも非常にマイナーな受験科目です。
令和3年度の受験者数は378人、合格者数は48人と受験者数、合格者数ともに2番目に少ない科目となりました。
住民税は、学習ボリュームの少なさに魅かれ選択科目に選ぶ方が多いかと思います。
しかし、税理士試験に慣れている受験生が多い科目のため「受かりやすい」「簡単」ということではありません。
この記事では、住民税の傾向と最短突破のために必要な勉強法を説明しています!
・これから住民税を勉強しようと思っている方
・すでに税理士試験の住民税の勉強をされている方 にもヒントになる情報があります!
正しい知識を身につけ、最短突破していきましょう!
住民税ってどんな科目?
税理士試験は会計科目から2科目、税法科目から3科目を選択し、合計5科目に合格することによって税理士試験合格となります。住民税は、税法の選択科目です。
なお、住民税と事業税は、いずれか1科目しか選択できません。
大手予備校の資格の学校TACには近年の住民税の出題傾向について下記のように記載されていました。
(→科目別合格戦略:住民税より引用)
住民税の理論問題は、複数の個別理論を横断的に問う傾向があり、複数の理論から必要な柱を素早く選別し解答を作成する必要があります。一方、計算問題は、難易度は高くないものの非常にボリュームの多い問題が出題されています。
問題の難易度は比較的高くないものの、解答量の多さから実力を出し切れない受験生もいるようです。
本試験の緊張状態でも、素早く慎重な解答が求められる科目です。
住民税の学習は、所得税法に関する知識が前提で進みます。
その関係で、所得税法の学習経験者、同時学習者におすすめの科目です。
住民税で学ぶこと
住民税の出題範囲は下記の通りです。
住民税の出題範囲
当該科目に係る地方税法、同施行令、施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。
住民税は計算と理論により構成されます。
計算、理論ともに、所得税法の試験範囲と重複しており、所得税法の学習経験者におすすめされる科目です。
しかし住民税の試験問題は比較的平易なことから、所得税法の未学習者でも合格したという声もあるようです。
住民税の受験者数の推移
直近10年間の住民税の受験者数の推移は次のようになっています。受験者数(延べ人数)
2021年 378人
2020年 381人
2019年 410人
2018年 460人
2017年 456人
2016年 549人
2015年 626人
2014年 682人
2013年 744人
2012年 814人
住民税の受験者数は2012年には814人だったの対し、2021年には378人とここ10年で半減しています。
税理士試験の受験者数は住民税だけでなく税理士試験全体としても減少傾向にあります。
税理士の将来性については下記の記事で解説しています。
住民税の難易度
●必要な勉強時間
住民税の合格に必要な時間は200時間と言われています。
この数字は予備校でよく言われる住民税の学習に必要な目安時間です。
この数字より少ない時間で合格する人もいますし、一発で合格できない場合200時間以上の勉強時間を費やす人もいるため、あくまで参考程度の数字です。
ただ、1点客観的な事実として言えるのは、この200時間は税理士試験の各科目の中で、比較的学習時間が少ない科目だということです。
●住民税の合格率
こちらのグラフは2021年から過去5年分の合格率の推移になります。
他のミニ税法の合格率は10%前半で安定していることが多いですが、住民税の合格率は20%近い年もあります。
ミニ税法科目は受験経験2年目3年目の猛者も多く受験者レベルが比較的高いのが特徴ですが、2年連続で20%近い年が続いた為、上位層の多くは抜けたと予想できます。
受験者数で見ても、10年前は住民税が最も受験者数の少ない科目でしたが近年は事業税と順位が逆転しています。
今後合格率がどう変化していくかは分かりませんが、ミニ税法科目の中だと、ジワジワ人気が出ている科目のようです。
住民税は独学できる?
結論から言うと、最短合格を目指す場合、独学はお勧めできません。
住民税は税理士試験の中だと学習ボリュームが少ないです。そのため、市販の教材を一通り学習するだけでも住民税の基本的な学力が身につくと考えられます。
ですが、おそらく住民税の多くの受験生が基礎を押さえた上で受験にきます。
そこから頭一つ抜け合格の二文字を勝ち取るためには、時間配分の練習や住民税の情報収拾をすることが必要で、効率的に行うのができるのが予備校に通うメリットです。
税理士試験は1科目あたり上位15%しか合格できない難しい試験です。
その狭き門をくぐり抜け続けて、5科目に合格しようやく税理士試験に合格できます。
5科目に合格する必要があるため、数年単位で勉強のモチベーションを維持しないといけない長期戦が強いられます。
また、住民税のメリットの1つとして金銭的コストが抑えられることがあります。
大手予備校の資格の学校TACでも1月速修コースの資料通信講座が66,000円~税法科目の中では非常にリーズナブルな金額です。
税理士試験の住民税まとめ
住民税は合格者100人以下のマイナー税法
学習時間は少ないが簡単ではない
合格率が変動しており20%近い年も!
最短合格を目指すなら独学ではなく予備校を活用すべき
住民税は受験者数が少ないため、自分から前のめりの姿勢で情報を収集する必要があります。これから勉強を始められる方や現在苦戦されている方は是非上記の内容を意識し勉強していただけたらと思います。