税理士試験の法人税法は令和3年度の受験者数は 3,532人、合格者数は453人と人気No2の税法科目です。
法人税法は、実務での使用頻度から選ぶ人が多い科目ですが、税理士試験屈指のボリュームや試験の難解さから税理士試験最難関科目と言われる程、競争が激しい科目です。
ボリュームが多い反面、ある程度の勉強時間が確保できる人は周りと差が付く科目でもあります。
この記事では、法人税法の傾向と最短突破のために必要な勉強法を説明しています!
・これから法人税法を勉強しようと思っている方
・すでに税理士試験の法人税法の勉強をされている方 にもヒントになる情報があります!
正しい知識を身につけ、最短突破していきましょう!
法人税法ってどんな科目?
税理士試験は会計科目から2科目、税法科目から3科目を選択し、合計5科目に合格することによって税理士試験合格となります。法人税法は税理士試験の選択必須科目です。
法人税は法人の利益に対して課される税金です。そのため法人をクライアントに会計事務所で仕事をする場合や事業会社で税務担当者として働く場合など、実務に直結する内容です。
法人税法の本試験は他の税法科目と比べても法人税法の理解を求める問題が多く、単なる丸暗記の知識だけでは通用しません。学習範囲は広いですが、どこから出題されるか分からないため苦手分野を作らず満遍なく勉強する必要があります。
しかし裏を返せば学習時間を確保できる人は周りの受験生と差をつけやすい科目です。
ミニ税法科目だと多くの受験生がレベルの高い状態で本試験に臨むため、そこから頭一つ抜けるのは難しいです。
しかし法人税法のような学習ボリュームが多い科目の場合、満遍なく学習すること自体にハードルがあります。
ある程度時間が取れる受験生は実務での使用頻度を考えても勉強する価値はありそうです。
法人税法で学ぶこと
法人税法の出題範囲は下記の通りです。
法人税法の出題範囲
法人税法。法人税法に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。
上記の通り、法人税法だけでなく法人税に関連する法律からも出題されます。
法人税法の理論問題は、「当社は〜した。この場合、法人税法上、どのように取り扱われるか」というような、法人税に関する深い理解が問われる事例問題が出題される特徴があります。
事例問題は単なる条文の暗記では対応できず、条文の知識を使いながら自分の言葉で解答する必要があります。
「実務でクライアントから質問された時どう答えるか」という観点からすると、実務的で非常に面白い科目です。
税理士試験の法人税法は理論問題・計算問題ともに50点の合計100点で出題されます。
また、法人税法の学習にあたっては簿記・財表の学習知識があると有利です。
法人税法の受験者数の推移
直近10年間の法人税法の受験者数の推移は次のようになっています。受験者数(延べ人数)
2021年 3,532人
2020年 3,658人
2019年 4,260人
2018年 4,681人
2017年 5,133人
2016年 5,642人
2015年 6,079人
2014年 6,635人
2013年 6,972人
2012年 7,000人
法人税法の受験者数は2012年には7,000人だったの対し、2021年には3,532人とここ10年で大幅に減少しています。
税理士試験の受験者数は法人税法だけでなく税理士試験全体としても減少傾向にあります。税理士の将来性については下記の記事で解説しています。
法人税法の難易度
●必要な勉強時間
法人税の合格に必要な時間は600時間と言われています。
この数字は予備校でよく言われる法人税の学習に必要な目安時間です。
この数字より少ない時間で合格する人もいますし、一発で合格できない場合600時間以上の勉強時間を費やす人もいるため、あくまで参考程度の数字です。
ただ、1点客観的な事実として言えるのは、この600時間は税理士試験の各科目の中で、学習時間が最も多い科目だということです。
●法人税法の合格率
こちらのグラフは2021年から過去5年分の合格率の推移になります。
法人税法の合格率は、2019年14.7%、2020年は16.1%と、例年より高めの傾向にありました。このまま15%程度の合格率が続くかとも考えられましたが、2021年は12.8%と例年通りの合格率に落ち着きました。
法人税法の合格には本試験で上位10%前半を目指す必要がありそうです。
ただし予備校に通学されている方の場合、直前期の答練は上位30%が目標です。直前期の答練は答案提出をしない方が多くなる為です。
法人税法と所得税法どちらを選ぶ?
税理士試験の選択必須科目の「法人税法」「所得税法」どちらを選ぶべきか悩む方も多いでしょう。
法人税法、所得税法ともに必要な学習時間は600時間と非常に多いボリュームです。学習範囲の広さから満遍なく勉強する必要があり、どちらを選ぶにしても合格レベルに達するために勉強時間の確保は必須です。
税理士試験の勉強をしていると少しでも受かりやすい科目はないのかと考えてしまいがちです。
「所得税法の方が受験者数が少なく、母数のレベルが高いので所得税法の方が難しい」
「法人税法の方が高度な税法解釈を求められるため、法人税法の方が難しい」
等々、色々な意見が出回っていると思います。
しかし、法人税法と所得税法はいずれにしても必要な学習時間が多く、どちらを選ぶにしても覚悟が必要です。
法人税vs所得税の科目選択にあたっては、ご自身のキャリアを考えながら実務での使用頻度で選ぶのがオススメです。
税理士となった時、法人の顧客と個人の顧客どちらをメインに仕事をしたいのかで決めた方が良いでしょう。
また、就職活動という点では、法人税法の合格者又は受験経験者を求めている会計事務所が多い印象です。
勤務税理士としてのキャリアを考えている場合、法人税法の方が就職に有利です。
失敗しない科目選択については下記の記事をご覧ください。
オススメの勉強法
法人税は合格のためには膨大なボリュームがをどうやって押さえるのかが肝になります。
実際に学習を進めてみるとすぐに実感いただけると思いますが、一度、理論や計算パターンを覚えたとしても次から次に新しい論点が来るため、先入先出法で忘れてしまいます。
一度覚えただけでは、2,3ヶ月後や本試験まで覚えらていられないことも多いです。
本試験で実力を発揮するためには①本試験までの期間で理論と計算を回し続けること②計算と理論をクロスしながら「理解」していくことです。単なる暗記ではなく「理解」を心がけることで、頭に残りやすくなります。
税理士試験の法人税法に合格するために必要な勉強法は下記で詳しく解説しています。
法人税法は独学できる?
結論から言うと、法人税法の独学は非常に厳しいと考えられます。
法人税法は税理士試験11科目の中で最もボリュームが多く、難易度も高いです。市販の教材だけではカバーしきれないと考えられます。
税理士試験は1科目あたり上位15%しか合格できない難しい試験です。
その狭き門をくぐり抜け続けて、5科目に合格しようやく税理士試験に合格できます。
5科目に合格する必要があるため、数年単位で勉強のモチベーションを維持しないといけない長期戦が強いられます。
「そうはいってもお金の事情で独学しか選択肢がない」という方もいるかもしれません。
確かに税理士試験の1科目あたりの受講料相場は15~20万円で、ストレートで合格できても、5科目で100万以上かかります。
しかし、完全オンラインでリーズナブルな税理士試験の通信講座が出来ました。
スタディング税理士講座の受講料は簿財2科目で59,950円(税込)、その他税法科目は1科目49,500円(税込)で受講することができます。
スマホ学習ができ、通勤時間など隙間時間を活用して勉強できるので忙しい社会人の方にも人気です。
お金のことが心配で今まで税理士試験にチャレンジ出来なかった方はこの機会に是非チェックしておきましょう。
税理士試験の法人税法まとめ
法人税法は税法科目で人気No2
学習範囲は広く難易度も非常に高い
膨大なボリュームの押さえ方が合格の鍵
独学は難しく予備校を活用すべき
これから勉強を始められる方や現在苦戦されている方は是非上記の内容を意識し勉強していただけたらと思います。