税理士試験の相続税法は令和3年度の受験者数は2,548人、合格者数は325人でした。
相続税法は、高齢化による相続税の申告件数が増加傾向にある影響で、人気の税法科目です。
しかし法人税法・所得税法に次いで学習ボリュームが多く、まとまった学習時間が求められます。
ボリュームが多い反面、ある程度の勉強時間が確保できる人は周りと差が付く科目でもあります!
この記事では、相続税法の傾向と最短突破のために必要な勉強法を説明しています!
・これから相続税法を勉強しようと思っている方
・すでに税理士試験の相続税法の勉強をされている方 にもヒントになる情報があります!
正しい知識を身につけ、最短突破していきましょう!
相続税法ってどんな科目?
税理士試験は会計科目から2科目、税法科目から3科目を選択し、合計5科目に合格することによって税理士試験合格となります。相続税法は税理士試験の税法科目です。
相続税法の特徴として、1つの税法の中に相続税と贈与税という2つの税目が定められています。
そのため、相続税法では相続税、贈与税の税額の計算方法、申告・納付などについて学習していきます。
相続税法は、法人税法、所得税法に次ぎ税理士試験の税法科目の中で学習量が多い科目です。
しかし裏を返せば学習時間を確保できる人は周りの受験生と差をつけやすい科目です。
ミニ税法科目だと多くの受験生がレベルの高い状態で本試験に臨むため、そこから頭一つ抜けるのは難しいです。
しかし相続税法のような学習ボリュームが多い科目の場合、満遍なく学習すること自体にハードルがあります。
ある程度時間が取れる受験生は受験科目の候補として検討する価値はありそうです。
相続税法で学ぶこと
相続税法の出題範囲は下記の通りです。
相続税法の出題範囲
相続税法。相続税法に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。
出題範囲は、相続税法はもちろんのこと相続税法施行令や施行規則等の関係法令から出題されます。
また法律ではありませんが「相続税法基本通達」や「財産評価基本通達」「相続税関係で個別に発せられた通達」も出題範囲とされています。
相続税法は相続税、贈与税に関連する法律が試験範囲ですが過去の出題実績を鑑みると、相続税法及び租税特別措置法を中心とした出題です。
税理士試験の相続税法は理論問題50点、計算問題50点の合計100点で出題されます。
近年の傾向として、解答用紙は理論4~6枚、計算5枚と解答ボリュームが多く、時間配分が合格の鍵を握っています。
相続税法の受験者数の推移
直近10年間の相続税法の受験者数の推移は次のようになっています。受験者数(延べ人数)
2021年 2,548人
2020年 2,499人
2019年 2,897人
2018年 3,089人
2017年 3,303人
2016年 3,636人
2015年 3,895人
2014年 4,073人
2013年 4,100人
2012年 4,091人
相続税法の受験者数は2012年には4,091人だったの対し、2021年には2,548人とここ10年で大幅に減少しています。
税理士試験の受験者数は相続税法だけでなく税理士試験全体としても減少傾向にあります。税理士の将来性については下記の記事で解説しています。
相続税法の難易度
●必要な勉強時間
相続税法の合格に必要な時間は450時間と言われています。
この数字は予備校でよく言われる相続税法の学習に必要な目安時間です。
この数字より少ない時間で合格する人もいますし、一発で合格できない場合450時間以上の勉強時間を費やす人もいるため、あくまで参考程度の数字です。
ただ、1点客観的な事実として言えるのは、この450時間は税理士試験の各科目の中で、学習時間が比較的多い科目だということです。
●相続税法の合格率
こちらのグラフは2021年から過去5年分の合格率の推移になります。
相続税法の合格率は他の科目としても合格率が非常に安定しているのが特徴です。
過去10年でみても、最小10.6%(第70回)〜最大13.4%(第65回)と10%前半で推移しています。
そのため、相続税法の合格には本試験で上位10%前半を目指す必要がありそうです。
ただし予備校に通学されている方の場合、直前期の答練は上位30%が目標です。直前期の答練は答案提出をしない方が多くなる為です。
相続税法は選ぶべき?
税理士試験の科目選択に悩む受験生は多いでしょう。
そんな中で、多くの受験生に支持されている相続税法を検討する方も多いと思います。
高齢化により被相続人は年々増加傾向にあります(国税庁:令和元年分における相続税の申告事績の概要)
今後ますます需要が高まる分野だと予想されますが、相続税申告は専門性が高いため相続税専門の会計事務所が行うケースが多いです。
将来税理士として相続税専門に業務を行いたい場合、相続税の受験を検討してみましょう。
相続税法は相続税だけでなく贈与税について学習する必要がありますし、民法も絡んでくるため人によって相性が合わないと感じる方もいるでしょう。受験科目選びはその後の税理士としてのキャリアにも関わってくる重要な選択です。
失敗しない受験科目選びについては下記の記事で解説しています。
オススメの勉強法
相続税法は相続税、贈与税に関連する法律が試験範囲ですが過去の出題実績を鑑みると、相続税法及び租税特別措置法を中心とした出題です。
基本的に相続税法及び租税特別措置法を押さえた上で、各政令まで学習を広げていくことで合格が見えてきます。
また相続税法はクセがあり得意不得意が出やすい科目でもあります。他の税法の学習経験がある方でも、相続税法に取っ付きずらさ、難しさを感じる方も多いでしょう。
取っ付きずらさ突破の鍵は、当事者の立場になって勉強を進めることです。
自分が当事者ならどういうケースで、どの規定を利用するのかをイメージしながら勉強を進めていきましょう。
相続税法は独学できる?
結論から言うと、相続税法の独学は非常に厳しいと考えられます。
相続税法は税理士試験11科目の中でボリュームが多く、難易度も高いです。市販の教材だけではカバーしきれないと考えられます。
税理士試験は1科目あたり上位15%しか合格できない難しい試験です。
その狭き門をくぐり抜け続けて、5科目に合格しようやく税理士試験に合格できます。
5科目に合格する必要があるため、数年単位で勉強のモチベーションを維持しないといけない長期戦が強いられます。
「そうはいってもお金の事情で独学しか選択肢がない」という方もいるかもしれません。
確かに税理士試験の1科目あたりの受講料相場は15~20万円で、ストレートで合格できても、5科目で100万以上かかります。
しかし、完全オンラインでリーズナブルな税理士試験の通信講座が出来ました。
スタディング税理士講座の受講料は簿財2科目で59,950円(税込)、その他税法科目は1科目49,500円(税込)で受講することができます。
スマホ学習ができ、通勤時間など隙間時間を活用して勉強できるので忙しい社会人の方にも人気です。
お金のことが心配で今まで税理士試験にチャレンジ出来なかった方はこの機会に是非チェックしておきましょう。
税理士試験の相続税法まとめ
相続業務の需要の高さで税法人気No3
学習範囲は広く難易度も高い
解答ボリュームが多く、時間配分が合格のカギ
独学は難しく予備校を活用すべき
これから勉強を始められる方や現在苦戦されている方は是非上記の内容を意識し勉強していただけたらと思います。